【第1回】社会人インターン「やよい」日記

STAND BY MEは中継地点である。旅人の、そして人生の


2017年6月、福岡市中央区大手門にオープンしたホステル、STAND BY ME。「泊まれる立ち飲み屋」というキャッチコピーの通り、宿泊スペースのある建物の1階は立ち飲み屋となっている。ひょんなきっかけからSTAND BY MEで飲む事となり、さらにひょんなご縁から店のブログを書く事となった私の初・STAND BY ME考をお送りする。

平日の仕事が終わり、夜20時。STAND BY MEは、地元サラリーマンやホステルに泊まる旅人たちで大にぎわいだ。比喩でもなく、正に肩と肩が触れ合う距離での立ち飲み。隣に立つ人とはごく自然に会話が始まる。この店の最大の特徴は、「木札」システムだろう。前払いでお金を払い、金額に応じた数の木の札をもらう(1000円で4枚)。木札1枚とドリンク1杯、または料理1皿を引き換えにして飲み食いするのだ。このシステム、非常に便利。店側はお金の計算の手間が省けるし、客側も予め設定した予算で飲食出来るのだから、安心だ(とは言いつつ、いつの間にやら手元の木札を増やしてしまう人は少なくない)。

そんな賢いシステムに感心しつつ、周りを見渡してみると、何だか……スタッフもお客さんも、キャラが濃い。濃い人が集まっている。お客さんの中には、アメリカで活動するアーティスト、東南アジアへの旅行の途中に立ち寄った女子グループ、脱サラしてミュージシャンになったお兄さん。周囲の会話に耳をすませてみると、何だかみんな生き生きしている。中でも一番キャラが立っているのは、STAND BY MEオーナー、貞末真吾さんだろう。

「真吾さんに会いに来たの?」お店に入った瞬間、常連客にそう尋ねられた。つまり、真吾さんに会うために店を訪れる人が多数いる訳だ。一体どんな人なのだろう、とビールをちびちび飲みつつ観察したのだが、一言で言い表すと「木札を1枚あげたくなる人」。これでビールでも1杯飲んでよ、と思わず言いたくなる人なのだ。明るく気さくな雰囲気を醸し出しつつも、周囲への観察眼は鋭いものがある。隣のお客さんと話していたら、いつの間にか真吾さんも会話に入っていたり。その入り方の嫌味のなさは、真吾さんの人柄だろう。

STAND BY MEは中継地点である。旅人たちはSTAND BY MEを、そして真吾さんを経由して、次なる目的地へ旅立って行く。地元福岡の人間にとっても、絶え間なく忙しい日常生活の中でふと立ち寄りたくなる、そんな店だ。STAND BY MEにはそもそも「よその人」「地元の人」という区別など存在しない。乾杯したなら皆仲間、そういう気安さが楽しい。STAND BY MEはそこで働くスタッフの、そして何より真吾さんの中継地点でもある。「次はどんな楽しいものを作ってやろう」そんな意思が、お店の空気に充満している。

余談だが、お盆休みで山口県の実家に帰省したところ、母親がSTAND BY MEを知っていた。福岡ローカルの番組の特集を見たらしい。「立ち飲み屋なのに泊まるところがあって、料理は木札で頼んで……面白いよね」。お母さん、私そのお店のブログを書く事になったんだよね、という言葉はひとまず飲み込んでおいた。STAND BY MEを知った事により、私の生活には何かしら影響が出るかも知れない。いや、出ないとおかしい。こんなに刺激とワクワクと笑顔が溢れたお店は見た事ないから。次はどんな個性に出会えるだろう、そして自分はどんな世界を提供できるだろう。STAND BY MEを中継して、自分の生活が、大げさに言うと人生が、どこへ向かっていくのか。今夜も1000円握りしめ、人生の異文化交流に向かうとしよう。

記:やよい

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